現在の模型キットはいずれも、[原型]と呼ばれる元の立体物を、なにかしらの方法で複製されたものです。
その中でも(元来は)手作業で複製される模型キットが[ガレージキット]です。
元々は個人が自分で、粘土や木などで原型を作り、少量を複製生産して、イベントや通販などで少量販売したり、お友達に分けたりしていたのですが、80年代からは海洋堂/ボークスなどの模型店や、ゼネラルプロダクツのようなキャラクターグッズ業者が参入し、その規模が大きくなっていきました。
複製の方法いろいろ
ヒートプレス/バキュームフォーム
樹脂板を加熱して柔らかくし、原型に押し当てることでその形を複製するのがヒートプレス。さらに吸気ボックスを使用して樹脂板をより効率よく、また精度も高く複製できるのがバキュームフォームです。
60年代後半~70年代末のガレージキット初期には、このヒートプレスやバキュームフォームで複製されたキットが主流でした。
プラモデルのように中空構造になるため、大型のものでも軽量で済むメリットがあります。
レジンキャスト
原型をシリコンゴムで型取りし、そこにレジン(二液混合無発泡ウレタン)を流し込んで複製するのがレジンキャスト。
材料が比較的安価で手に入るのと、初めてでもシリコン型の作り方さえわかればそれなりの複製※ができるため、個人による少量生産となるガレージキットの主流となりました。
がれき会で使用するガレージキットは、このレジンキャストキットです。
※シリコン型やレジンに気泡が発生したりという整形上の問題が発生しやすいですが、パテや瞬間接着剤で補正が効きやすいです。
また、この問題は手慣れていても発生する時は発生します(;´∀`)
メタルキャスト
原型を石膏や耐熱シリコンで型取りし、そこに低温で液化するホワイトメタル合金を流し込んで複製します。
レジンキャストに比べて複製材となる液体合金の流動性が高いため、微細なモールドやエッジも複製しやすいのですが、その半面、重さがあり、かつ固形状態でも柔らかいため、パーツ同士をつなぐ際、真鍮線などの補強材などを仕込んでつなぐというのが難しいです。
そのため、小サイズのフィギュアなどパーツ構成がシンプルなもので用いられるケースが多めです。
また、材料費は安くないため、個人よりも企業によるリリースが主流です。
他にも塩化ビニルを金型に流し込むソフトビニールキットや、型にガラスファイバーを敷き詰め、ポリエステル樹脂を塗っていって複製するFRPキットなどもあります。